日本食品衛生学会のホームページへようこそ!

会長挨拶

新任のご挨拶と今期の学会活動について

令和3年(2021年)6月7日

小西良子会長公益社団法人日本食品衛生学会会長 小西良子

 会員の皆様におかれましては平素より学会活動に多大なご協力を賜り,心よりお礼申し上げます。
 このたび、会長を拝命いたしました東京農業大学の小西良子です。これからの2年間の任期を、会長として本学会の発展のために務めさせていただきたいと思います。


本学会は、食品衛生に関する研究の連絡、提携および促進をはかり、これら研究の成果を普及して学術・文化の発展に寄与することを目的として、昭和35年(1960年)3月23日に設立され、昨年(2020年)創立60周年を迎えました。
その間、多くの食品衛生にまつわる重大事件が起こりましたが、本学会は常に科学的立場からの調査・研究の推進に務め、その成果を社会に還元してまいりました。
現在の食品衛生を取り巻く情勢に目を向けてみますと、食品衛生法が15年ぶりに改正となりました。
食品用器具・容器包装にもポジティブリスト制が導入され、食品関連の分析法には妥当性が求められております。
HACCPシステムも義務化となり、我が国では国際的ハーモナイゼーションの加速度的進化とともに、食品衛生分野は新しいステージに入りました。
また、コロナ禍において一般的になった食品のデリバリー、テイクアウトや「作り置き」に対する食中毒の懸念なども新たな問題として浮上してきております。
このようにめまぐるしく情勢が変わる今日において、日本食品衛生学会が果たす役割は、科学的根拠を持った正しい知識・情報・研究結果をスピーディに社会に還元することだと考えます。
本学会は、食品衛生分野においての化学物質と微生物が融合した形で行政関係(官)、大学・研究機関(学)、民間企業(民)が連携し、社会の発展に寄与しております。
対象となる項目も、残留農薬、残留動物用医薬品、食品添加物、環境汚染物質、かび毒、病原微生物、遺伝子組換え食品、食物アレルギー、天然有害物質、放射性物質、異物、食品用器具・容器包装、健康食品、HACCP関連、食の安全に関するリスク評価およびリスコミ等と広範囲に渡ります。
このような広範的かつ学際的な視野をもって食品衛生学分野で寄与することは本学会の大きな特徴といえます。

 私は、学会の特徴を生かし、ますますの発展に寄与するため,任期中に以下の課題に取り組んでいきたいと思います。

1.会員サービスをさらに実現化する
木村会長(平成29年度から平成30年度)および永山会長(令和元年度から令和2年度)の任期中から、学会会員だからこそ得られる情報や最先端の情報をスピーディで大量に提供できる学会へと変革、メールマガジンの発行、会員向けコミュニティの設立に取り組んでまいりましたが、これらのサービスの持続的定着化を行い、会員の満足度の向上に努めたいと考えます。
さらに、学術講演会、特別シンポジウムなど、会員の交流の場と最新情報の提供に努めていたいと思います。
コロナ禍中の公開講演会や特別シンポジウムで培ったWEB開催システムのノウハウをポジティブに利用して、これからもハイブリッド開催を行う検討を行っていきます。

2.地方の活力を支援
昨年、今年前半はコロナ感染拡大防止のため、多くのイベントが中止せざるを得ませんでしたが、これからはポストコロナのステージに入り、多くのイベントが地方で開催されます。
また、WEB開催により全国からの参加も容易になってまいります。これらのイベントに対しての支援を積極的に行い、会員増へとつなげていきたいと考えております。

3.魅力的なホームページ
情報の迅速な提供方法としてホームページの充実は欠かせないアイテムです。
常に最新の状態に維持していき、会員の満足度の上がる内容に刷新していきたいと思います。
特にインターネット世代が簡単にアクセスできかつマルチリピーターを増やすことが重要です。
例えば、公開講演会や特別シンポジウム、WEB配信した学術講演会の講演、FHSの講演会などのアーカイブを作成して、会員であればいつでもその視聴および活用ができるようなシステム構築を図ったり、ブログにより学術講演会、公開講演会や特別シンポジウムの宣伝などの試みも行っていきたいと思っております。

4.投稿しやすい学会誌
「食品衛生学雑誌」は、PubMedに掲載されており、インパクトファクター(IP)もあることから、その評価は非常に高いものになっております。
食品衛生分野はこれからさらに科学的根拠(エビデンス)が求められると思います。
このような時代に本学会雑誌は、科学的根拠が担保されている雑誌であるとみなされております。
すなわち、本学会雑誌に投稿することにも引用することにも価値があります。
本学会が対象とする分野は多岐にわたりますが、学会誌 「食品衛生学雑誌」でそれらの分野すべてが対象になっているとは限りません。
対象とする分野を増やし、今までのノート、調査・資料等の名称の見直しを行い、会員にとってメリットのある、投稿しやすい学会誌にしていきたいと思います。
また、論文化には壁があると思われている会員には、論文作成指導を行い、投稿しやすい環境を整えてまいります。

5.新しい試みーリスコミ事業
厚生労働省の委託を受け、昨年から始まった新しい公益事業課題となります。
この事業の目的は、一般消費者への食品の安全に対する正しい知識の普及啓発さらに食品等の専門家への残留農薬等の基準に関する知識について啓発活動によるリスクコニュニケーションの推進です。
会員の皆様の経験と知識を是非この事業に生かしていただきたいと思っております。


最後になりますが、会員の皆様、特にこれからの学会の主流となる若い会員の皆様のニーズを学会運営に積極的に反映していきたいので、いろいろなアイデアを、事務局を通じて是非ご提案ください。
これらの取り組みが会員の維持および増加につながると信じ、理事が一体になり実現に精一杯努力してまいりますので、会員の皆様のご理解ならびにご協力を改めてお願い申しあげます。

PAGETOP
Copyright © (公社)日本食品衛生学会 All Rights Reserved.